皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「……私は、本当に皇女として迎えられるべきだったのかしら」

「え?」

そんなことを考えていると、横に立って扉の奥を睨むようにして見ていたリリスがぽつりと小さな声で言った。

一瞬何を言われたのか理解が追い付かなくて、私が思わず勢いよくリリスを見上げると彼女はハッとした様子で私の方に笑顔を見せる。でもその笑みは、あまりにも無理矢理笑ったってわかる下手くそな笑顔だった。

それに自分でも気づいたらしいリリスが、視線を泳がせて、自分の頬をさすってから小さく息を吐き出して、また扉の方へと視線を戻す。

「母のことが勘違いで良かった。商人から聞いた話をそのままうのみにせず、真実が知れて、そこは後悔はしていないの。貴女という妹と出会えたことも、姉と呼んでもらえることも、なにもかもが私にとって大切なことよ。でも」

そうだ、お姉様は山で暮らしていたら商人に歌姫ラエティティアさまと、陛下の恋物語を聞かされたのよね。そこは有名だからおかしくない。
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