皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「触れます」

隣に立つ司祭様に宣言をして、私もそっと石板に手を伸ばした。ただなんとなく、本当に何となく、なんだけど。触れるのが怖くて伸ばした指先を、触れるか触れないかの所で引っ込めそうになりながら、ようやく触れた。

ひやりとした感触と同時に、広がる波紋。

お姉様の時のような蛍の光にも似たそれが石板に広がるのはさっきと同じなのに、色が違う。お姉様のが真っ白な光ならば私のそれは、金色にも似た光。

それが広がって、消えて、……そして、文字を綴った。

「えっ!?」

私は自分の目を疑った。だって、石板に文字が浮かんだのだ。

石板に文字が浮かぶのは、『恩恵』が与えられている証。慌てて周囲を見回せば、陛下が目を見開いてこちらを見ていた。お姉様が、嬉しそうに万歳していた。

そして、フォルセティが、柔らかな笑みを浮かべて、私に頷いてくれた。
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