皇女殿下の幸せフェードアウト計画
リリスお姉様は視線だけ後ろに向ける。私もそれに倣って後ろを見れば、ついてくるフォルセティの姿があった。

(……そういえば、石板にフォルセティが触れていたら彼の過去もわかったんだろうか。禁忌とされる魔法を使って世界を救うことになる英雄に、……神はどんな啓示をしたんだろう)

「彼は素晴らしい人だし、イリスを見初めたことは認めても良いと思うわ」

「え?」

「でもまだ、本気かどうか見定めないと!」

「お、お姉様?」

言いたいことはなんとなくわかるけれど、あえて何がとは聞かなかった。

っていうか見初めてって、……それってつまり、やっぱり他の人の目から見てもフォルセティが私に恋をしているように見えるってことよね?

いや、嬉しい。嬉しいんだけども!!

お姉様の発言に思わず顔が熱くなる。

思わずチラチラと振り返ってしまうけれど、私自身はどうなりたいんだろう。

(いや、フォルセティも私の憧れをこれでもかって詰めた存在で……彼の傍にいられるなら、確かに嬉しいけど。でもそれって恋とか愛とか、そういうのとは違うんじゃないのかしら)

前世の私が、恋を思い描いて生み出した相手がフォルセティ。

だけどこの世界で生きている私と、生きているフォルセティではその意味合いが変わってくるわけで。
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