皇女殿下の幸せフェードアウト計画
(……もし、フォルセティの気持ちが本物だとしたら、私は……どうしたい?)

表舞台から去りたかったのは、嫌われるのも嫌だったしこれから何が起こるのか私の考えの外に向かう『物語』で、生き残れる気がしなかったからだ。

もし良い子にして普通にしていても女帝になってしまえば、どんな物事からだってもう逃げることは許されない。

(だけど、もし……私がフォルセティのことを、ちゃんと愛せて……愛されたなら)

表舞台から遠ざかるということは、彼の手を取らない、ということで。

でも皇女としての責任ですら重いと感じて逃げたいと思う私に、世界の命運を賭けた『何か』と戦わねばならない彼を支えるなんて無理があるんじゃないか?

だとしたらちゃんとした恋をしちゃう前に、遠ざかるべきなんじゃないの?

(でもそれでいいの?)

思い描いたような、憧れの、大切な人。

その人がくれる感情ならば、きっとどんなものでも嬉しい。嫌われるのはイヤだけど。

前世の私は、そんな想いを、想像上のフォルセティに向けていた。
< 241 / 370 >

この作品をシェア

pagetop