皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「さて、話が済んだようだ。リリス皇女殿下はわしがお送りしよう」

「将軍」

「フォルセティ、そこに突っ立っておらんでイリス皇女殿下をお部屋までお送りして差し上げろ」

「……承知した」

ユゼフと私の会話が終わるのを待っていたのか、いつの間にか近くに歩み寄っていた将軍がさっとお姉様の護衛に名乗りを上げてくれた。

きっと彼も、送った後は軍部の方で体制をどうするか即座に対応できるよう手配をするのだろうと思うと、この事態はやはり普通ではないのだなと思う。

表向きはどこまでも穏やかに、親しい客人をお迎えするかのように。

水面下では身元の確認や警備の体制確認、今後の対応について諸侯の間で意見を交わすに違いない。

(……うん、やっぱり私にそういった人たちを率いる立場はちょっと無理かな……)

お姉様は将軍と共に歩きながら、何度も私の方を振り返ってくれていた。

敵襲があったわけではないのだから、あそこまで心配することないのになと思ってしまう私が暢気なんだろうか?
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