皇女殿下の幸せフェードアウト計画
『あなたのお母さんはねえ、それはもう綺麗な人だったねえ』

『きっとお前さんを守ろうとしていたんだろうねえ、産んだらきっと父親に連絡するつもりだったんじゃあないかなあ』

『そうよ、あなたのお父さんもきっと探してくれているから、諦めちゃあいけないよ』

血の繋がった家族じゃないと言われたことは少なからずショックだったけれど、少ない形見の中にあったネックレスを中心に二人は母のことを聞かせてくれた。

まあ、それでも二人からしても母の情報はあまりにもなかったのだけれど。

わかっているのは、綺麗な服を着ていた、素晴らしい美女だったこと。

身重の女性一人だったことから、……もしかしたら、一緒にいた父親は死んでいるんじゃなかろうか。

そう思ったこともある。

結局何もわからないまま、私が成長して……二人も、帰らぬ人になった。

(私は、ひとりぼっちになってしまった)
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