皇女殿下の幸せフェードアウト計画
幸いにも炭焼きと猟師で生計をたてていたおじいさんから、狩りの技術は学んでいる。それで食いつなぐこともできるし、麓の村の人たちも良い人たちばかりでいつでも来るといいと言ってくれた。
遺品の整理があるからとそれを断って、ぼんやりとこれまでを振り返る日々にも、そろそろ決着をつけなければいけないと思っていた私の前に、一人の商人が現れた。それが転機だったのだろう。
「いやあ、助かりました! 初めて行商に出たら昨日のあの霧でしょう? 山の入り口で天候が良くなるのを待っていたら、変な連中が現れて慌てて逃げ込んだら獣がいてまた逃げてですっかり道がわからなくなってしまって!」
「それは難儀なことでしたね」
「でもこうして天女がごとき美女に助けてもらったんですから!! かの歌姫ラエティティア様を彷彿とさせる美女がこんな山奥にいるだなんて!」
「……歌姫、ラエティティア様、ですか?」
聞いたことがない。有名な人なのだろうか。
山暮らしなものだから、世俗に疎いので少し恥ずかしかった。
遺品の整理があるからとそれを断って、ぼんやりとこれまでを振り返る日々にも、そろそろ決着をつけなければいけないと思っていた私の前に、一人の商人が現れた。それが転機だったのだろう。
「いやあ、助かりました! 初めて行商に出たら昨日のあの霧でしょう? 山の入り口で天候が良くなるのを待っていたら、変な連中が現れて慌てて逃げ込んだら獣がいてまた逃げてですっかり道がわからなくなってしまって!」
「それは難儀なことでしたね」
「でもこうして天女がごとき美女に助けてもらったんですから!! かの歌姫ラエティティア様を彷彿とさせる美女がこんな山奥にいるだなんて!」
「……歌姫、ラエティティア様、ですか?」
聞いたことがない。有名な人なのだろうか。
山暮らしなものだから、世俗に疎いので少し恥ずかしかった。