皇女殿下の幸せフェードアウト計画
侍女と共に姿を消したクローディア様を見送って、レオ様たちが深く息を吐き出した。

そして、表情を引き締めたクロフォード様が立ち上がって私に頭を下げる。

「大変申し訳ございませんでした」

「い、いえ。驚きはしましたけれど、きっと故国を強く思えばこそなのでしょう」

「お優しいんですね」

ぱっと笑顔を見せたクロフォード様おどおどした様子がすっかり消えて、なんていうんだろう……ワンコみたいな笑顔を見せた。あれ、儚げ美少年なのは変わらないんだけど、可愛く見える不思議……。

「レオ兄さんについては、僕が説明させていただきます。兄さんは、本当の名をレオニダス・クォーツ・シェイド。……父亡きエファージェン公国を継ぐのは自分だと名を挙げた叔父の、一人息子です」

「えっ……」

つまりレオが言っていた、討つべきだというその相手こそが彼の父親ということ!?

あっ、待ってレオニダス。レオニダスならわかる! いた!!

物語で確かにいた。幼い頃からクローディアと想い合っているんだけど、あまりに関係性が近すぎるからと泣く泣く別れるんだよね。

で、内乱が起きた後、彼は国を取り戻すために戦って、その後は神官になるため再びワレリアに戻る。

そして国の代表として選ばれるまでに上り詰め、暗黒の時代に立ち向かう一人に。

(……なる、はず、なんだけど)

さっきのクローディア様との様子だと、想い合っている男女っていう空気は一切感じられなかったような気がする。

私がいたからっていう可能性もあるけれど。

でも、この真剣な話をしてくれている中で恋愛の話とか言い出せるわけもなく。
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