皇女殿下の幸せフェードアウト計画
(それに乗るような貴族はいないと思うけれど)

今やリリスお姉様もいることだし。

そういえば彼らには、いつお姉様を紹介するのだろう。このままずっと秘密というのも難しい気がするし、国の方針が定まるのが先か、エファージェン公国からの特使が来るのが早いのか。

それによっては随分と色んなことが起きるような気がする。

「えっと……クロフォード様?」

とりあえず、色々考えを巡らせている私だけれど、視線が気になる。

そう、クロフォード様が私のことをなぜか頬杖をつきながらじーっと見ているから。

穴が開くほど見つめられるというのはまさにこのことなんだけれど、ちょっとばかり見すぎじゃないですかね。

注意の代わりに名前を呼べば、彼は嬉しそうに微笑んだ。

「イリス様は優しくて、愛らしい方ですね」

「……え……?」

言われたことが、一瞬理解できなかった。

今、愛らしいとか言わなかったかしら。聞き間違い? んなわきゃない。

思わず目を丸くした私とは反対に、彼はニコニコと笑っている。

「そうだ、僕らは逃亡中にフォルセティ殿とも出会っているんですよ。ここに来て彼にまた会えたのは、すごく嬉しかった」

「そ、それはようございました」
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