皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「……イリスが良いというならばそうしよう。それで? お前のエスコートはどうする」

「私ですか? ……そうですね、十日後ですし、将軍にお願いしてみようかと思います」

「将軍か。……フォルセティでなくて良いのか?」

「それは」

陛下の言葉に、私は返答に困った。

城内で会えば挨拶もするし、会話だってする。そのたびに彼は甘い言葉をくれるし、基本的に優しいし、ウルスラに言わせれば基本的に誰にでも優しいけれどフォルセティは私の前にいる時が一番優しいって言われてしまえばやっぱり自惚れてしまいそうだ。

結局のところ、私の心が一番定まっていない。

そりゃかっこいいし。

理想だし?

想われるなら最高だけど、……でも、私のこの気持ちは憧れなのか、恋なのか。

憧れから恋になるって保証があるならそれでもいいんだけど、そうとは限らないのが恋ってものだってことくらいは知っている。

「あれは良い男だな。皇女の相手としては身分的に不足ではあるが」

「陛下……」

「しかし、それも時間の問題であろう。上位陣の貴族たちはすっかりフォルセティの味方だ」

この国に来て、盗賊騒ぎや国内での武道大会、そういったもので活躍を見せたフォルセティはすっかり人気者だ。
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