皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「どなたか、諸侯に言われたのですか? ロベルトですか?」

「は? なにを……」

「私が陛下のことをこのようにお呼びするのは、娘として期待に添えないとわかりせめて良き臣として、皇族の一人として過ごすことを表しての行動です。私の意志ですので、気を遣わぬよう私から彼らに説明をいたします」

ロベルトの可能性が一番高いけど、ユゼフもあり得るかもしれない。

リリスばっかり可愛がってないで私のことも忘れるなよとかなんとか言ってそうだもの。

いやまあ、娘として見てもらえるなら嬉しいとは思う。でもそれは無理強いしちゃだめだよね! わかってますとも。

「何と可愛げのない」

「陛下!」

「良いのよ、ロシェ。その通りだもの」

思わずぼやいた陛下の言葉に、ロシェが口を挟もうとするのを私が止める。

しまったという顔をする陛下に、私は本心から気にしていないと笑顔を見せた。

「私は陛下にもお母様にも似ず、この国の理想とはかけ離れた小柄でひ弱です。かといって、クローディア様のように美しくもありませんし……せめて、恥ずかしくないよう振る舞うことしかできません」

「……そのようなことはない。余の言い方が悪かったのだ」

「いいえ。リリスお姉様のような美しさこそこの国ではもっとも求められているものでしょう。私は羨んでなどおらず、むしろ誇らしくあります。陛下の横に立たれるお姉様は、きっと誰よりも美しいに違いありませんもの」

そしてそれを少し離れた所で見守れる。この距離感が良いのだ。

十日後ってのがかなりスケジュール的にきっつきつだけど、お姉様のドレス姿楽しみだなあ!
< 304 / 370 >

この作品をシェア

pagetop