皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「誰がそのようなことを言ったのだ」

「え? 誰が……というか、昔からですしさすがに理解も追いついておりますもの! ですから気にしておりません。己の容姿について今更どうすることもできませんし……」

「なん……だと……」

「多くの人をがっかりさせてしまったと申し訳なくすら思っていたので、お姉様の姿を見れば皆がきっと喜んでくれると思うと、私も嬉しいです!」

ほんとそれだよね!

今まで理想の皇女様ってのがいなくて張り合いがなかった城仕えの人たちも活気づくってもんでしょう。

私? 私にはウルスラがいるからいいのよ。

「……陛下?」

だけど、陛下がなぜか俯いてしまった。

私は変なことを言っただろうか? お姉様と敵対するつもりなんかなくて、むしろ大歓迎なんですってのを伝えたつもりだったんだけど……。

おろおろする私に、ロシェが歩み寄ってくれた。

「大丈夫です、皇女殿下。陛下は……その、朝から少し頭痛があったようですので」

「まあそうでしたの?」

「はい、十日後の予定を直接皇女殿下にお伝えしたいとのことでしたので……」

「では私はこれで下がった方がいいのね? 侍医をすぐに呼んで陛下におやすみいただかないと!」

「それは私が引き受けますので、皇女殿下はどうぞ恙なくお過ごしください」

「……ええ、わかったわ」

つまり私に余計なことをするなってことね!

ちょっとだけ心配だったけれど、これ以上ここで駄々をこねても陛下のお体が心配だし引き下がるべきだなと思ってロシェに後は任せることにした。
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