皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「……姫は、エスコートをどうするか、考えているのか」

「あ、え、ええ……将軍にお願いしようと思って」

「将軍か」

「私の立場は微妙だし、独身の男性にエスコートをしてもらうと主役であるお姉様とはまた別に変な憶測が立ってしまいかねないから」

独身の私がエスコートをつけたら婚約者候補かって言われちゃいかねないからね!

そしたら今のところ皇位継承権第一位の、婚約者、でしょ?

お姉様っていう完璧な皇女の登場と、その妹の婚約者……だなんてこう、継承権争いが起きるんじゃないかって勘繰らせるようなもんじゃない。

ただでさえエファージェン公国の問題を抱えちゃってるのにそんな面倒な目で見られるのはいやじゃない。陛下とお姉様に心労をかけないでもらいたい!!

「そうか。……なら、いい」

「もしかして、私のことをエスコートしたかったの? な、なーんて」

「その通りだ」

「ひぇ」

冗談めかして聞いてみたら即答とか!

思わず変な声が出たけど、そこはどう見てるんだか……いやそれすら可愛いとか言い出しそうで恐ろしい。

「イリス姫のことを、皆が認め始めた。喜ばしいことだとは思っているが……どこかで残念にも思っている。おれが知っていれば良かったなと」

「そ……そんなことないわ」

「だが、舞踏会の参加を許された暁には……おれとも踊っていただけないだろうか」

「フォルセティ」

「……部屋まで送ろう」

彼にしては珍しく、弱い問いかけだった。
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