皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「踊っていただけますか?」

(けど、ここで断るのは失礼だし……どうする!?)

私が動揺してどう断ろうかと悩んだ瞬間、私に差し出された手を別の手が掴んだ。

乗せたんじゃない、掴んだ。

「えっ」

思わず私とレオニダス様の声が被ったけれど、問題はそこじゃない。

彼の手を掴んだのは、リリスお姉様だった。笑顔だけど、なんだかその笑顔が大変怖い。迫力があった。

「嬉しいですわレオニダス様。私、ダンスを公式の場で踊るのは初めてなんです。お手柔らかにお願いしますね!」

「……リリス姫」

「イリスは先約がありますから」

「なるほど?」

「ですから、私で我慢してください?」

お姉様、ものすごい勇者ですね……! 宣言通り、私を守ってくれたお姉様に私は思わず感動してしまった。有言実行、なんてかっこいいのかしら。

レオニダス様は苦笑して、掴まれた手をするりと抜いて軽く肩を竦めたかと思うと、お姉様を改めてエスコートしてフロアに降りていった。
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