皇女殿下の幸せフェードアウト計画
(……ワゼリア?)

混乱する私は、その単語にようやくこれが何なのか思い当たった。

そう、本当ならここに現れるのはこのローブの魔法使い、その手下だったはずだ。

手下をすっ飛ばして大ボスがやって来た、そんな感じだ。

ここでも展開が違うだなんて、油断した。いえ、油断していなくても私に何かできたとは思えないけど……少なくとも足手まといにならないように壁沿いに突っ立ってるとかはできたはず。

(だけど、私は残念ながら今、フォルセティに支えられて腰を抜かしている。完全足手まといだ)

どうする? どうしたらいい?

がくがくと震える中、遠目にレオニダス様に庇われるお姉様の姿が見えてほっとする。お姉様は私を見つけてこっちに来ようとしてくれているみたいだけど、止められていた。

私も頷いて、なんとかアイコンタクトをとったけれど……伝わったのだろうか。

少なくとも今、無暗に動くのはいけない気がする。本能的に。
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