皇女殿下の幸せフェードアウト計画
布の塊がこちらを向いたまま、ふわりと動く。これを好機と感じた将軍が再び剣を振りかぶったところで、今までで一番眩しい雷が周囲を打ち付けて将軍を吹っ飛ばした。

「将軍……!」

『フォルセティ、我と共に来い。ワゼリアを取り戻すのだ……!』

「断る」

きっぱりと断ったフォルセティが、私をぐっと抱きしめる。

私は守られているはずなのに、まるで彼が私に縋っているようだと感じたのは気のせいだろうか。

『まあ、いい……見つけただけで僥倖。忘れるな、お前はワゼリアの子。その運命には逆らえぬ』

高笑いをしながら布がぼんやりとその輪郭を失って、姿を消していく。

私たちは震えながら、それを見るしかできなかった。

忌むべき『魔法』の国、その子孫――フォルセティを名指しした奇妙で危険な襲撃者がいたという、事実だけを残して。
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