皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「……どうするべきか……」

陛下が零すように言った声は、ひどく沈痛なものだった。

そんな声が聞こえていても、フォルセティは動かない。

ただ目を閉じて、立っているだけだ。

今まで彼と親しくしてきた人たちの庇う声、苦しさを押し殺して国のために意見を言う声、それらは彼の耳にも聞こえている。

(苦しいって言ってしまえばいいのに)

言ってくれれば、きっとユゼフもロベルトも、多くの……彼という人柄を愛してくれている人々が、それに応えようとするのに。

諸侯としての責任、軍人としての責任。それらを全うする彼らを立派だと思う反面、私はひどく腹が立っていた。これだから子供なのだと思うけれど、腹が立つものは腹が立つのだ。
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