皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「フォルセティよ、未来の息子よ。お前には困難が立ちはだかるのだろう。ワゼリアという過去の亡霊がお前を捕まえようと手を伸ばすのだろう。だが、それがなんなのだ」

「……」

「アルセイドの女を妻に迎えるそなたは、アルセイドの男だ。とびっきりのじゃじゃ馬ではあるが、それでもお前はいいのだろう?」

「姫は、可憐で、愛らしい」

「……だ、そうだ。この男はアルセイドを裏切らぬ。記憶を取り戻したのちのことは、イリスが責任を持つ。そうであろう」

「当然です、陛下」

いや、当然でもないんだけど。非力なんでどうしていいかわかんないですけど。

まあそれってあれでしょ? 皇女としての権力使って何とかしなさいってことでいいんですよね、陛下もお気に入りの臣下ですもんね!!

「……お前はいつまで余を地位で呼ぶのだ」

「え?」

「婚約者も得て、いずれ結婚し臣下に下ったならば仕方ないかもしれぬが……それまでの時間しかないのだぞ」

「へ、陛下?」

口をへの字に曲げて、不満そうにする陛下に私は困惑する。

フォルセティは諸侯たちが諦めて、それでも嬉しそうに彼をもみくちゃにしていたから私の助けにはならない。
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