皇女殿下の幸せフェードアウト計画
侍女は何か言いたげだったけれど私が犬を追い払うように手を振れば去って行った。

(……あのくらい背が高くてしっかりしてたら、みんなから馬鹿にされなかったのかしら)

ため息が零れ落ちる。

しょうがない、しょうがないって十歳の頃からそう思ってきたけど、どこかで表舞台に立って活躍する側に立ってみたい気持ちが残っているんだって改めて気づかされた。

(何を考えているのかしら!)

表舞台に立てるような、主人公たちみたいな『魔法』も『ギフト』もなにもない私がばかなことを考えるものじゃない。体格も美貌も知性もないのに表舞台に立ったらそれこそ私にとっての平穏なんてなくなってしまうじゃないか。

(私は傍観者になって、遠くから見守るの。それが目的なんだから!!)

残った紅茶を飲み干す。

もう冷めたそれは、私には少し苦いような気がした。

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