皇女殿下の幸せフェードアウト計画


それから一週間。

今日はとうとう舞踏会の日だ。

私は気合を入れまくって、会場に足を踏み入れた。

(つまり、今日が勝負……失敗は、許されない)

今日という日のために誂えたドレスは、『物語』で思い描いたようなものにはしなかったのがせめてもの記憶を取り戻した私の意地だろうか。

(胸とか腰が貧相だからレースをふんだんに……って描写にしていたのよね。でも自分になって改めて思うけど、イリスだって素材は悪くないはずなのよ!)

小柄なだけで!!

というわけで私がチョイスしたのは、ハイネックラインで逆にほっそりとした私を魅せるデザインにして、ダンスをするたびに裾のレースがふわりと揺れるものにしてもらった。

(これが着れただけでも、私は満足だわ)

両陛下に今日の主役としてご挨拶をし、お客様たちを前に笑みを浮かべて堂々と振舞った。皇女としてこれ以上ないくらいの振る舞いはできたはず。

だけど婚約者のいない私にはエスコート役はいないから、今日最初にダンスを申し込む相手が私が選んだ相手と目されるんだっていうことで周りはみんな戦々恐々としているのが手に取るようにわかる。

そこまで嫌がらなくてもいいんじゃなくて!?

(さすがに傷つくわあ……)

だけどまあ、そこまで私にとっては織り込み済み。
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