皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「イリス様、それではこの老骨の腹心、アルトロではいかがかな?」
「そうね、アルトロも悪くはないわ。だけれど彼は私が相手をしなくとも十分でしょう」
「……」
私が視線もくれずに言えば深く頭を垂れたアルトロの気配を感じる。
彼も私のワガママに振り回された可哀想な人。お母様が彼の出自を気に入らないからって嫌っているのを見て記憶を取り戻す前の私も率先してアルトロに酷いことを言ったものよね。
記憶を取り戻してからは乗馬の時に顔を合わせる程度だけど……私の姿を見るたびに彼の仲間が私から遠ざけてくれていたからお互いこれ以上傷つかなくて良い感じ。
今更それで踊れって? 無理無理。
「ならいいわ、私――」
「恐れながら」
老将軍が相手をしてくれないから『ここには私に相応しい男なんていないから気分が悪い』って声高に言ってこの場を下がるつもりだった。
それなのに、まさか横から声がかかるなんて!
嫌われていようが何だろうが仮にも私は皇女なのだから、横から誰かが話しかけるなんて無礼もいいところだったから思わずぽかんとそちらを見てしまった。
「そうね、アルトロも悪くはないわ。だけれど彼は私が相手をしなくとも十分でしょう」
「……」
私が視線もくれずに言えば深く頭を垂れたアルトロの気配を感じる。
彼も私のワガママに振り回された可哀想な人。お母様が彼の出自を気に入らないからって嫌っているのを見て記憶を取り戻す前の私も率先してアルトロに酷いことを言ったものよね。
記憶を取り戻してからは乗馬の時に顔を合わせる程度だけど……私の姿を見るたびに彼の仲間が私から遠ざけてくれていたからお互いこれ以上傷つかなくて良い感じ。
今更それで踊れって? 無理無理。
「ならいいわ、私――」
「恐れながら」
老将軍が相手をしてくれないから『ここには私に相応しい男なんていないから気分が悪い』って声高に言ってこの場を下がるつもりだった。
それなのに、まさか横から声がかかるなんて!
嫌われていようが何だろうが仮にも私は皇女なのだから、横から誰かが話しかけるなんて無礼もいいところだったから思わずぽかんとそちらを見てしまった。