皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「その役目、どうか俺に与えてはもらえないだろうか」

だって、声をかけてきたのは、フォルセティだったから。

(ああ、ああ、見れば見るほど完璧だ……なんてかっこいいんだろう!)

まるで大人と子供みたいな身長差で私が見上げても、フォルセティは静かな面持ちのまま私を見下ろしている。

見惚れてしまうってわかりきっていたからなるべく視線を向けないように頑張ったのに!!

私の『理想』を詰め込んだ人。

「不敬ね。誰の許しを得て口を挟んでいるの。私はこの国の皇女なのよ? それに、図が高いわ!」

ツンとした物言いで、腕を組んで見せればフォルセティは少しだけ目を細めて、私を見下ろして……腰を曲げた。

「これは、失礼した。俺はなにごとにも、不調法なもので」

「お前のことは聞いているわ、将軍が拾ったという下賤の者でしょう? ねえお前、まさか私と踊りたいの? 身分を弁えなさい」

ああー、わざと嫌な子を演じているとはいえ、推しにこんな言い方しかできない私のこのジレンマ……! お判りいただけるだろうか!!
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