皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「姫」

「いいわ。皇帝陛下の所へ行こうと思うから護衛としてついてくるのを許してあげる」

「感謝する」

いや、だからね?

なんでそんなに嬉しそうにするのよ……! 記憶があっても勘違いしそうになるこの威力。落ち着くのよイリス、私の目的を見誤ってはダメなんだから!!

でも、フォルセティが傍にいる。

私の理想が、私が思い描いたみたいに優しく、愛しい者を見る眼差しを向けて私の隣を歩いている。周囲が羨む視線が、妬む視線が痛いけど、それを凌駕するくらい胸がドキドキする。

(……そうよ、例えこれが彼にとって演技だったとしてもこの一時が今後の良い思い出になるじゃない。この思い出があったらどこか地方の修道院に入れられようと寂れた地に飛ばされようが生きていけるってものよね)

もし彼のこの態度が演技だとして、狙いが玉座ならリリスが皇帝陛下に迎え入れられて溺愛され、皇位継承権を持つようになればそっちに行くでしょう。

演技じゃなかったら。その可能性もなくはない、けど。
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