皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「でも貴方、私のことをどこで知ったのかしら。声を聴くのも初めてだったと思うけれど?」

「おれが、この国に流れ着いた時に将軍が救ってくれた。その将軍が、貴女がおれを見つけてくれたと言っていた。それ以来、貴女にいつか礼を言いたかった」

「えっ」

「心の底より、感謝申し上げる」

将軍、余計なことを言わないでくれるかしら!?

とはいえ、フォルセティはこれを恩に思っていたんだなあと思うと寂しくもあり、同時にほっとした。

「そ、そういえばそんなこともあったかもしれないわね。私は覚えていないけれど」

意識してませんよってスタイルは貫いておかないと、ついつい顔がゆるんじゃいそう。

だから私の方が少し前に出るようにして歩くんだけど、このコンパスの差よ……ドレスってこともあって動きにくいっていうのを言い訳にしても私の二歩とかがフォルセティの一歩になるんじゃないの!?

まあ、彼の方が私を追い抜くような無粋な真似はしないようだからいいんだけれど……。
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