皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「陛下に、私からもイリス様の同席をお願いいたします」

「しかし」

「お願いします」

男の人としては高いその声に、私はこの人が女性だとようやく理解した。でも来ている侍従としての服は男性のものだから私が男性と勘違いしても何らおかしくはない。

(え? 男装の麗人? 皇帝陛下はそういう趣味だった……? いや、待って……)

その人の顔立ちには、どこか見覚えがあった。

男装の麗人と、皇帝陛下を私は見比べる。そうだ、やっぱり似ている。

つまり……彼女こそが、私の姉のリリスで間違いない。

男装姿のリリスはかっこいいって私が設定したんだけど、ここまでとは思っていなかったから一発でわからなかったことが悔しくてならない!!

「私はイリス様の同席を要求いたします。それが叶わぬというのであれば己が命を絶つ覚悟にございますゆえ」

「えっ」

「なんだと……」

あれ? ちょっと待って、取り出したナイフを自分の首にあてるとかなんでそんな恐ろしいことをしているのだろうか。

なんだって? 皇帝陛下を暗殺とかじゃなくて自分の命を盾に? それがしかも私を同席させるためとかなんかもう私の予想していた展開を遥か斜め上すっ飛んでってないかな?

(どういうこと!?)

さっぱりワケがわからない。
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