皇女殿下の幸せフェードアウト計画
こういう展開だと予想はしていた。

人が死ぬ、そんな物語だと自分が想像したじゃないか。

だけど、どうだろう。

(目の前で、こんな)

バクバクと心臓がうるさいくらいに音を立てるのに、息の仕方を忘れてしまったかのように私は呼吸ができず苦しくて胸を抑え込んだ。

お母様が何かを叫んでいたようだったけれど、私は視線を向けているはずなのに理解ができないでいる。

怖かった。

怖くて、身動きできずにいた。
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