皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「それでは、私はこれで失礼いたします」

「え。もう行ってしまうの? 私はもう少し貴女と話をしたいわ」

「……申し出はとても嬉しいですが、今の私も、リリス様も、微妙な立場にございます。どうか陛下のお傍にてお過ごしくださいませ」

静かに私が淑女の礼をとれば、リリスはしばらく私を見つめて……諦めるようにため息を吐き出したのが聞こえた。

そして優しく私の肩に触れて顔を上げさせて、笑ってくれた。

「そうね、私も少し急いてしまったわ」

「……」

「もう少し、色々なことが落ち着いたらお茶をしましょう。たった二人きりの姉妹だもの」

「……はい」

なんて優しい人だろう。

私の噂を聞いているだろうし、王城に忍び込んだこともあるなら実際にワガママ皇女である私の姿を見たこともあったかもしれないのに。

それでもなお、姉妹仲を深めようとしてくれるだなんて。聖女か!
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