秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
私は白猫を抱きかかえ、柔らかな毛並みに頬ずりする。
やってきたのは、私の住む二階建てのアパート近くにある猫カフェ。お気に入りの白猫バニラちゃんと戯れ、一日の疲れが吹き飛んでいく。
隣に座る翔悟さんの膝の上で黒猫がくつろいでいる。優しく背中を撫でる彼の眼差しもいつもより穏やかに思えた。
私たちはよくこうして、仕事を終えた後この猫カフェに来ては猫たちと共に過ごしている。
猫カフェ通いは付き合い始めてからのことではなく、その前からそれぞれがしていたことだった。
実家で猫を飼っていることもあり私は猫好きで、けれど今一人暮らししているアパートはペット禁止なため共に暮らすことはできない。
だから自宅近くにあるこの猫カフェに、仕事で疲れた時やミスをして落ち込んでいる時など、そしてもちろん猫たちに会いたいと思った時など、頻繁に来ているのだ。
そして私と翔悟さんの縁を繋げてくれたのも、ここだった。
彼も私同様、仕事の疲れがたまってくると、目についた猫カフェにふらりと立ち寄りたくなるらしい。そして彼がたまたまこのお店を見つけた時、ちょうど私も来ていて、互いの来店のタイミングが被ったのが始まりだった。