秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
「は、早く車に乗ってください」
焦った様子で横から腕を引っ張られたけれど、あっという間にやってきた翔悟さんによって、秘書の手は掴み落とされた。
「穂乃果に触るな!」
怒りの声と共に、私は彼の腕の中へと引き寄せられた。
「……翔悟さん、私……」
顔を見上げて話しかけるけれど、言葉が出てこない。数分前に自分からもうお付き合いは出来ないと言ったくせに、目の前にするとこんなにも愛しくてたまらない。
翔悟さんも私を見つめ返し、苦しげに顔を歪めた。そして憤りの眼差しを女性秘書に向ける。
「穂乃果を追い詰めて、俺が許すと思うなよ」
翔悟さんに鋭く睨みつけられ、女性秘書は体を竦ませた。
「会長に伝えておけ、首を洗って待っていろと」
彼女はすぐに「分かりました」と震えながら返事をする。そしてぎこちなくお辞儀をして、後部座席へとひとり乗り込んだ。
苛立つ翔悟さんから逃げるようにすぐさま車は発進し、私たちの視界からいなくなる。
ふたりっきりになった途端、今度は私が気まずさでいっぱいになる。再び視線を通わせるもの耐えられなくなって顔を逸らすと、翔悟さんが突然私を横抱きにした。