秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
最後にバニラを撫でてから、翔悟さんと共に店を出て、駐車場に向かう。私の家はここから十五分程度のため歩いて帰れるのだが、いつも彼がしっかり送り届けてくれるのだ。
「猫飼いたいです」
車に乗り込み、いつものように呟く。
飼いたくても、ペット不可物件に住んでいる以上無理であり、虚しさばかりが募っていく。
「いっそ、ペットが飼える所に引っ越ししちゃおうかな」
ため息混じりに願望を口にした私を、翔悟さんがちらりと見た。
「気持ちはわかる。俺もできれば飼いたい。……でもな」
そこで彼は渋い顔をしたまま車を発進させる。
私は住んでいる場所が、翔悟さんの場合は帰宅時間が遅いことが多かったり、出張で家を空けるのも少なくないというお仕事事情がネックとなっている。
「それに飼っていないからこそ、こうして穂乃果を連れ出す理由にもなっているし」
思わぬセリフを耳にし、私は翔悟さんを二度見する。言われたこっちは即座に頬を熱くさせたというのに、言った本人は至って真面目な顔で前を見つめていた。
私は照れを振り切って、想像を巡らせる。