秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~


「ねぇ。副社長の後ろにいる女、誰?」


沙季の疑問と同時にヒールの音が耳につき、彼の後方へと視線を移動させる。

翔悟さんより十歩分ほど遅れて、派手な女性が彼を追いかけるように歩いてくる。

見た目からして年齢は私と同じくらい。きつくウェーブのかかった髪は背中を隠すほどの長さで、身長は百五十五センチの私より少し高いくらい。服やバッグにパンプスまでも海外の高級ブランドで固めているため、生活水準は私よりもはるかに高いことがうかがえる。

化粧の仕方がそう見せているのか、それとも元々の顔立ちか、派手さに唖然としてしまう。

格好から明らかにヒルマ物産の社員ではないだろうに、我が物顔でずんずん進んでいくその様子は、只者ではない感を漂わせている。いったい何者だろうか。

彼女の後ろを行く五十代くらいのスーツ姿の男性はまるで付き人のようでもあり、どこぞの社長令嬢だったとしたら納得だ。

そんな彼女が歩調をはやめて、一気に翔悟さんの後ろまで歩み寄った。

眉目秀麗ゆえ表情も余計凛々しく、背も高いから歩く姿も様になっている翔悟さん。そして優雅な足取りで彼についていくその女性が漂わせている威圧的な空気感。ふたりとも違う世界の住人のようだ。

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