秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
ポーカーフェイスなのはわかっているけどもう少し彼女である私に反応してくれてもいいのになどとぼんやり考えているうちに洋食屋に到着し、出来ていた列に並ぶ。
あの女性はいったい誰だったのだろうかと先程見た彼女の顔を思い浮かべた時、スマホが音を奏でた。無意識に確認し、ハッとする。翔悟さんからメッセージが届いたからだ。
『急な思いつきで悪いが、来週末、小旅行に行かないか?』
思いもよらないお誘いに頭の中が真っ白になる。
『のんびりと温泉に入りたい』という文言に、有名な温泉地の名称や『可能ならすぐにでも宿をとりたいのだが』といったひと言が続き、彼の本気加減が私の実感へと繋がる。
嬉しさが膨れ上がる中、沙季に心の中の変化を気づかれぬよう笑みを堪えながら、『行きます!』と即座に返事をした。
そわそわしながら迎えた旅行当日の朝、八時。
待ち合わせの時間になり、小さなボストンバックを手にアパートを出ると、ちょうどタイミングよく翔悟さんの車が曲がり角から現れ、目の前で停車した。
「おはようございます!」
「おはよう」
助手席に乗り込んで朝の挨拶を交わす。そのままなにか話をしようとしたけれど、胸がいっぱいでなかなか言葉が出てこない。