秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
旅行の話が持ち上がった先週末からずっと、楽しみでそわそわしっぱなしだったのだ。
そのピークが昨日の夜であまり眠れず、けれど睡眠不足の割に目は冴え渡っている状態である。
「遠出で一泊は初めてだな。急な誘いだったから戸惑っただろ」
「いえ。嬉しくて楽しみで、この一週間どうにかなりそうでした」
「そっか。それはなによりだ」
翔悟さんがわずかに口角をあげ肩を小さく揺らしたのを見て、私も余計に嬉しくなり笑顔になった。
翔悟さんが車を発進させる。まだ朝早いため車の通りは少なく、快適なスピードで進んでいく。
普段もそれなりに外でデートはしていたけれど、会社の誰かに見られたらと思うと気が気じゃなく、とてもじゃないけれど無防備に甘えたりなどできなかった。
けれど、高速道路に入り速度が上がると、そんな日常からもどんどん遠ざかっていくような気持ちになり、今日と明日は思う存分“ふたりっきり”を満喫できるんだと胸が熱くなる。
「唐突に温泉に入ってのんびりしたくなったんだ」
気だるげに発せられたひと言に、普段彼が感じているだろう重圧は私が思う何倍も大きいのだろうなと察する。