秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~

客室のドアが続いているのは同じだが、それらの間隔が広くなり、入り口も格子戸で先ほどよりも豪奢だ。客室のランクが上がったんだと察し、無意識に翔悟さんの背中を見た時、彼の足が止まった。


「こちらでございます」


女将さんは恭しく腰を折ってから、今夜私たちが泊まる部屋の格子戸を開ける。


「……わぁ。素敵」


翔悟さんの後に続いた足が、自然と停止した。

通されたのは、私の住まいよりも明らかに広い和室で、襖の奥にもまだ部屋がいくつか続いている。

室内を見て回りたい気持ちになるも、ひとまず女将さんがいなくなるまで待つことにし、黒光りしている立派な座卓の横で立ち止まった翔悟さんの横まで一気に進む。

和座椅子に腰を下ろして持っていたバッグを傍らに起き、女将さんと夕食の時間や館内の入浴場の場所などを話す彼の澄んだ声を聞きながら、そわそわと視線を走らせる。

私も費用を出すと申し出たけれど、「そのは必要ない」と翔悟さんに突っぱねられてしまった。だから宿泊費の詳細は知らないとは言え、この部屋が高額なのははっきりわかる。

彼にすべて甘えてしまった面に対して申し訳なかったなと思う傍ら、こんな素敵な部屋で翔悟さんと一夜を過ごせる事実にどうしても胸の高鳴りが止められない。

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