秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
私は中腰のまま翔悟さんと見つめ合う。
「風呂ならこの部屋にもある」
微妙に翔悟さんの口元が孤を描いたように見え、思わず息をのむ。
「露天風呂だ。のぼせるの覚悟で一緒に入るか?」
そのひと言で頭に血が上り一気に顔が熱くなり、気がつけば翔悟さんを両手で突き飛ばしていた。
「なっ、なんか恥ずかしいからダメ!」
「なにを今更」
翔悟さんと一夜を共にした事がないわけではなく、もちろん裸も見られているため、今更恥ずかしがる必要などどこにもない。
それなのに、まだ日が落ちていないのにふたりでお風呂に入るのかと考えると恥ずかしくてたまらなくなり、口から拒否の言葉が出た。
「とにかくダメです。私は大浴場に行きたいです」
「そうか。なら仕方ない」
彼の声のトーンがちょっぴり落ち、傷つけてしまったかもと心がちくりと痛む。
突発的に言ってしまったけれど、ただ恥ずかしいだけで嫌な訳ではない。早くも後悔し狼狽えていると、彼に頬を触れられハッとする。
「楽しみは後にとっておくことにしよう」
本当は私だって、今日のこの日をずっと楽しみにしていた。彼との甘い一夜への期待にうるさいくらい胸が高鳴り続けている。