秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
しかし再び見た翔悟さんはいつも通りのクールな表情に戻っていて、微妙に空回っている自分に虚しさを覚えた時、。窓ガラスに触れた手に彼の大きな手がそっと重なり私は息をのむ。
「またいつかふたりで来よう」
囁かれた声音はとろけるほどに甘く、顔を熱くさせる。嬉しくて笑顔になった私を包み込むように、翔悟さんが後ろから抱きしめてきた。
そうこうしているうちに、仲居さんが私たちに声をかけ、部屋を出て行く。
ぴったりと寄り添って遠くの夜景を見つめているうちに食事が片付けられただけでなく、いつの間にか奥の部屋に布団も敷かれていた。
「今のうちに、布団をぴったりくっつけておこうか?」
耳もとで意地悪に響いた声に、「もう!」と顔をしかめて見せた。それに対して翔悟さんはくくっと喉を鳴らしながら私を抱きしめていた腕を解いた。
とは言え、ふたつ並んだ布団に鼓動が高鳴るのを止められない。
素直に言葉にできなくても、甘い一夜を過ごせることを期待している。
布団の間には五センチほどの隙間がある。じっと見つめていると、大した距離ではないのになんだか遠く思えてきて、彼の言葉通りにしてしまおうかと考えた。