秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
しかし、行動に移せばほんの一瞬で終わるのに、恥ずかしさからなかなか一歩が出ない。
翔悟さんはどこにいったのかと周囲を見廻すと、ちょうどテレビの電源が付けられた。
彼はテレビのリモコンを手にしたまま、ゆったりと座椅子に腰掛ける。私はちらりと布団に視線を戻したのち、すっかり寛いでいる彼に向かって歩き出す。私は傍にあるもうひとつの座椅子には座らず、彼の横で膝をつく。
「……ちょっとだけ甘えても良いですか?」
おずおずと申し出て、彼に手を伸ばした私に、翔悟さんがふっと小さく笑った。
「もちろん。おいで」
彼は私の手をそっと掴み取り、くいと引き寄せる。そのままもたれかかるように膝の上に座った私へと、優しく腕を絡めてきた。
「……幸せ」
彼の温もりに包まれる中、無意識に思いを言葉にした私の首元へと翔悟さんが頬を摺り寄せてくる。
「俺も。この時が永遠に続けばいいのに」
彼がそう呟いた瞬間、戸口近くの電話台に置いてあった翔悟さんのスマホが音を奏でた。
ほんの一瞬見つめ合ったのち、彼は小さく息をついた。すぐに膝の上から退くと、彼は立ちあがり、気乗りしない様子で向かっていく。