秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
「泣きません。こうして二人でいられるのだから」
自分の言葉で、翔悟さんの顔にもふわりと笑みが広がった。それに嬉しさを覚えると同時に、表情から疲れがにじみ出ているようにも見え、申し訳なくなる。
「お仕事で疲れているのに、心配させたり迎えに来てもらったり、振り回してしまいましたよね。ごめんなさい」
「穂乃果に寂しい思いをさせたままでいるのは嫌だ。どんなに疲れていても駆けつける。それに……」
視線の先で翔悟さんがにやりと笑う。それに目を奪われると同時に、唇が重なり合った。
「疲れは吹き飛んだ」
不意を突かれて驚く私に、彼がさらりと言ってのけた。ふふっと笑うと、彼も口元に笑みをたたえて体勢を戻す。慌ててシートベルトを装着すると、車が静かに走り出した。
交差点を右折した後、快適なスピードで次々と信号を超えていくが、四つ目の信号に赤で捕まる。車を停止させた翔悟さんへと、ずっと気にしていたことをぽつり話しかけた。
「お弁当、お口に合いましたか?」
「あっという間に完食したよ。とっても美味しかった。ありがとう」
「ほ、本当に? ……でもやっぱり、普段食べているものと比べたら質素でしたよね」