秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
「三週間ほど前、会長と話をしたんだろ?」
険しい表情と共に突きつけられた言葉、そして蘇った記憶に呼吸を忘れる。確かにあの時、会長は男性秘書を連れていた。彼が見たことを全てを翔悟さんに話したとしたら……、一気に心が冷えていく。
目を合わせていられなくなり視線を足元へと下げる。すると肩を掴む彼の力がわずかに強くなり、不安が膨らみ息苦しさを覚えた。
最上階である二十階に到着し、私は翔悟さんに手を引かれエレベーターを降りた。しかし、大理石の通路を三歩ほど進んだところで、彼は足を止め振り返る。
「だからあの時、……俺が電話をかけた時、泣いていたんだな。苦しい思いをさせていたのに気づけなくて、すまない」
やっぱり聞いてしまったのかと歯痒く思いながら、私は大きく首を横に振る。
「いえ。翔悟さんはちゃんと気づいてくれたじゃないですか。励ましてくれたし、目一杯甘えさせてもくれました」
必死に否定すると、翔悟さんに力強く抱きしめられた。戸惑いながら、私も彼の背中に手を添える。
「俺はもう我慢できない。穂乃果との関係を隠すのはここで終わりだ。自分の気持ちを全てぶつける。だから、俺を信じてついてきてほしい」