秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~
本気の声音に胸が震える。彼の腕の中でゆっくりと頷いてから、視線を交わして「はい」と返事をする。しっかりと手をつなぎ合わせて、私は翔悟さんと並んで歩き出した。
通路の途中で足を止め、重厚感のある大きなドアと向き合う。私に眼差しで合図を送ってから、翔悟さんがそのドアを押し開けた。
室内にはふたりの姿があった。こちらに背を向けた格好でソファーに座っている女性と、その傍らで佇む男性。男性はあの時会長と一緒にいた秘書で、女性の後ろ姿からこれから気持ちをぶつける相手が会長なのだとわかり、足が竦みそうになる。
男性秘書が翔悟さんにお辞儀をすると、会長が肩越しにこちらへと不満げな顔を向けた。
「翔悟。私を呼びつけておいて、いったいどこに行って」
その目が翔悟さんの横にいる私を捉えた瞬間、大きく見開かれた。
「すみません。帰る前に言っておきたいことがあったので、引き止めさせていただきました」
「言っておきたいことですって……まさか」
静かに力強く述べられた彼の言葉に会長は表情を強張らせ、続けて怒りをぶつけるかのごとく私を睨みつけてきた。