平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
副団長コーマックも、少し不思議がるような目を向ける。

と、その視線を察知したかのようにジェドが背を起こした。観察を終えたのか、「ふうん」と少し傾げかと思うと口を開く。

「――お前、名はなんという」

今更!?

リズは驚いてしまった。そもそも普通、正座させる前に確認くらいしても良かったのでは……と思いつつも、怖くてそんなことは言い返せなかった。

「えっと……、別館の第三事務課のリズ・エルマーです」

「第三事務課?」

そう口にした彼が、正座中の副官コーマック共々、察した様子で眉間の皺を解いた。

「――ああ、なるほど。採用官のところに顔を出していたトナーの相棒獣が、反応して採用が決定したとかいう変わり者か」

「え」

「あ、確かそれで急きょ第三事務課へ入れた、と別館長も口にしていましたね」

のんびりとした性格なのか、コーマックが柔らかな雰囲気で口を挟んできた。元々礼儀正しい人なのか、リズを見ても敬語口調のままだ。

それが採用された理由……?

リズはびっくりしてしまって、目を丸くして二人を交互に見た。ふわふわとした癖の入った桃色の髪が、動きに合わせて肩に柔らかくあたっている。

「……えぇと、あの、それは一体どういうことなんですか?」
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