平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
そのまま頭を戻したカルロが、くいっと顎で向こうを指す。

その方向は幼獣舎だった。リズが不思議に思って見つめていると、彼がやれやれという感じでまた鼻息を吐いて、芝生外に爪でガリガリとやった。

『お前、気になってる。それなら、子ら、見てみる』

今日は、珍しく積極的に字を書いている気がする。

そう思ったリズは、幼獣舎の方を見た。きっと気になっているのはカルロも同じなのだろう。多分、自分と同じで落ち着かないのかもしれない。

「そうね、やけに行かせたくないみたいだった」

それなら、その答えは幼獣舎にあるのかもしれない。

リズは不安が強まるのを感じて、一つ大きく深呼吸した。思いすごしならそれでいいのだ。臆病な自分を心の中で叱り付けて、一歩を踏み出す。

「行ってみましょう、幼獣舎へ」

動き出した彼女に続いて、カルロが大きな尻尾を揺らして後に続いた。



走っていた獣騎士達と別れたあと、真っ直ぐ幼獣舎へと向かった。

そこが近付いてくるのを目に留めてから、リズの顔は緊張で強張っていた。何かが変だ。その気持ちが次第に増して、気付けば走り出していた。

幼獣舎の木柵の壁から、おろおろと不安そうな幼獣達の姿が見えた。

それをパッと目にした途端、どくんっと心臓が大きく打った。
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