平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
駆け寄った戸には、珍しく鍵がかかっていた。不安は倍増と、一体何が、と思って内側の雨戸が開けられた隙間に顔を寄せ、素早く中を覗き込む。

中にいる幼獣達が、潤んだ大きな目を向けてきて「みゅぅ」「みょ」と弱々しく鳴いてくる。けれどみんな元気がなくて、そばに寄ってくる気配もなかった。

「…………待って、足りないわ」

気付いたリズは、くらりと気が遠くなりかけた。

毎日のように世話をしていたから、見分けだって付いている。そんな、まさか、と信じられない思いで、今度は慎重に一頭ずつ顔を見ていった。

「――やっぱり、二頭、いない」

改めて確認して呟いたところで、愕然とした。

不安でドクドクと胸が痛い。呼吸が止まりそうだった。え、どうして? だって、あの子達はまだ勝手にお散歩も出来ないのに……。

その時、カルロが本当に軽く背中をつついてきた。

リズはビクッとした。ハッとして振り返る。

「カルロ……あの子達が」

息がうまく出来なくて、言葉が続かない。

するとカルロが、力強く「ふんっ」と鼻を鳴らして、見てろと言わんばかりに目の前で爪を一本出し、それから地面にガリガリと書いた。

『落ち着け。深呼吸、だ』

「そう、よね。まずは私が落ち着かないと」

リズがどうにか答えて呼吸を意識すると、カルロが「ふん」と頷いて地面の字を消した。
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