平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「女王?」

唐突なキーワードに、リズは先程で少し濡れた目をきょとんとする。

するとカルロが、しばし間を置いた。それから考えるような静止を解くと、一つ頷いて地面に新しく言葉を刻んだ。

『女王、会ってみるか? 彼女なら、子の場所、きっと分かる』

急に言われても理解か追い付かない。リズは考える時間が必要で、カルロが急かさないと態度で示すようにして『お座り』で待つ。

「ちょっと、待ってちょうだい」

ようやくリズは、混乱気味ながら声を出すことが出来た。

「カルロの言う『女王』って、もしかして白獣の女王様のことなの?」

『そう』

「でも、どうして、カルロが――」

『彼女の子ら、一番そばで守ってた時期がある。そして女王、太古の身体、山と共にある』

そう伝えたカルロが、前足でゴシゴシと雑に文字を消す。

子を一番そばで守っていただとか、どういうわけかは分からない。ただ、白獣をまとめているリーダーがいて、彼女なら子の場所が分かる、と……。

今は、ごちゃごちゃと考えている場合じゃない。攫われてしまった幼獣達のことが先だ。

深い山々へ踏み入ることに不安が掠めたものの、リズは、震えそうになる両足にぐっと力を入れてカルロを見据えた。

「もし会えるのなら、その女王様のもとへ行ってみましょう。もしかしたら私達も、頑張ってくれている獣騎士達の力になれるかもしれない」
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