平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
この作戦、本当にうまく行っているんだろうか?

かえって悪目立ちしているのではないだろうか、と不安が込み上げる。もし通報されたり、騒ぎになって獣騎士達の方に知られたらアウトだ。

実は、首輪セットを提案してきたのはカルロだった。

――『こうすれば町中を歩いても騒ぎにならないはず。散歩作戦だ』

散歩作戦って……カルロはワンちゃんじゃないのに……。

立派な戦闘獣なのだけれど、とリズはまたしても思いながら目を向けた。当のカルロは『忠実な犬です』と言わんばかりの姿勢で歩いている。

そのおかげか、見ていく町人も恐れ半分といったところだ。獣騎士がそばにいない状況なのに、遠目からだと大丈夫そうだという空気も漂っている。

――『紐を持ってくれればいい。オレはお前の前で、町人は襲わない』

そう筆談で伝えてきた通り、カルロは落ち着いている。

なんだか不思議だった。カルロは優秀な新入り研修獣のごとく、散歩紐を引っ張ることもなくリズの歩調に合わせて付いて歩く。

次第に、町人達もずっとは注目してこなくなった。

普段から獣騎士や相棒獣を見慣れていることもあるのだろう。距離を開けていれば大丈夫、という正しい知識も持っているようで騒ぐ者はない。

どれぐらい歩き続けただろうか。

気付けば、リズは問題なく山の近くまで来ていた。

ここまで呼び止められないまま進んできたなんて、と我に返って内心驚いた。すると、どこからか交わされる会話が耳に入ってきた。
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