平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「あれが『訓練中の戦闘獣』かい」

「ほんとに首輪が付いてるな」

「なら安心だな」

あ、カルロが言っていた通りだわ……。

どうやら、変に目立っている所が役にたったらしい。堂々としているおかげもあって、獣騎士団の普段の仕事の一環とも思われているようだった。

これだったら恐らくは通報もされないだろう。

本当に賢い白獣だ、リズは品良く歩き続けいているカルロを見た。字も書けるし、伝えてくる言葉からは、リズより難しいことをよく知っている感じもあった。



やがて一つの山の入口まできた。

道がプッツリと途切れて、まばらに雑草がある土の地に木々が生えている。そこには『立ち入り禁止区域』という注意書きの看板もあった。

「近くで見てみると、ますます大きいわね……」

ここへ列車で来る際、広大なグレインベルトの連なる山々はいくつも見てきた。けれど町に一番近い、その巨大な山の一つには圧倒されてしまった。

さわさわと揺れている木々の葉。

傾斜は奥へと続いていて、植物に阻まれて先が見えない。

「両隣の山の方が標高も低そうだけれど、女王様がいるのはここ……なのよね?」

尻込みして尋ねると、もう人の目もないからと首輪を外されたカルロが、一つ頷き返す。
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