平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
真っ直ぐ大きな目にジェドが映っている。しばし、またしてもじっと見つめていた彼が、ふっと思い出したように正座中の自分の副官へ目を向けた。

「どう思う、コーマック?」

意見を求められた副団長のコーマックが、不思議がっていた顔をハッと戻して、あわあわと素早く背を伸ばした。

「どうと言われましても、これまで例がないことである、としか……彼女の話からすと、騎乗者としてのコンタクトを取られた感じもない。かといって非団員として警戒されてもいない現状を考えると、やっぱり不思議です」

団員か非団員か、極端などちらかの反応をされるのかが普通であるらしい。

「白獣は基本的に獣騎士にしか懐きません。だから数も多くはない団員達で、今だって幼獣の親代わりを時間を裂いて行っているじゃないですか」

そうコーマックが意見を述べた途端、ジェドの見目麗しい顔にスゥッと笑みが浮かんだ。思案気に指で顎に触れる様子が、どうしてか二人の警戒心を煽った。

なんか悪巧むみたいな顔、に見えるのは気のせいかしら……。

リズが寒気を感じていると、隣で彼とは長年の付き合いがあるコーマックも、同じものを感じたような顔をしていた。

「コーマック。トナーの相棒獣は、確かメスだったな?」

「え――あ、はい。まぁ、そうですね」

唐突に確認させられたコーマックが、戸惑いがちに答える。

するとジェドが、ニタリと形のいい唇の端を引き上げた。

「なるほどな。あの相棒獣は、恐らくは保護によっても数が増えたのもあって、今週メイン担当だったトナーが『大変だ』と口にしていたのを聞いていた、と」
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