平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
何やら考えていた様子のジェドが、ニヤリとする。

あ、ろくなこと考えてなさそう、と察したコーマックが呟いて青くなった。なんだか嫌な予感がしたリズは、直後、ジェドに目を向けられてビクッとした。

「なら、取引と行こうじゃないか」

「取引!?」

その言い方もすんごく怖い。

怯えた目で真っ直ぐ見つめ返されたジェドが、ニヤリとする。

「お前は職を失いたくない。俺は、秘密を知ったお前を手元に置いて管理し――いや監視しておきたい」

今、この人『管理』って言ったああああ!

言い直したけど、管理も監視も同じことである。もうヤだこの俺様上司、とリズが涙目で見つめている中、ジェドは結論を言い渡すようにして続ける。

「本日付けで、リズ・エルマヘーは別館の第三事務課より異動。この時点から本館勤務とし、獣騎士団の特別団員とし『幼獣の世話係り』を任命する」

本館勤務ということは、獣騎士団の団員枠だ。非戦闘員ながらも、今日付けで軍人枠に所属してしまったようなものである。

びっくりして声も出ないリズの隣から、コーマックも驚いて「待ってください!」と正座を半ば崩してジェドに意見した。

「白獣は、たとえ幼獣であったとしても僕ら騎士以外には懐きません。もし何かあったら――」

「その白獣の成体が、初めて人間の採用に口を出した。それが相棒騎士の苦労を思っての推薦だったとしたのなら、いけるんじゃないか?」
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