平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
リズは、祈るように手を組み合わせてお願いした。

少し考えるようにした女王様の頭で、大きな白い耳が動いた。彼女は一度カルロを見て、それからリズの果実のような赤紫色(グレープガーネット)の目を見つめた。

「『カルロ』も心配しているようですね。それではまず、あなたの心配事を解消していきましょうか――あの子達なら、まだ無事ですよ」

「良かった……ッ」

「けれど急いだ方が良いでしょう。薬か何かでショックを与えられているのか、あの子達の意識を感じられません。あなたも知っている通り、幼獣は繊細です」

安全を考えれば、身体が弱ってしまう前に解毒した方がいい。

リズは言葉を失った。少し考えれば、そのまま獣舎から連れ出せるわけがないと分かるはずなのに……改めて突き付けられるとショックだった。

不安で震えそうになる手をぎゅっとする。

「リズさん、どうか落ち着いてください」

「あ、はい。すみません、私…………」

「わたくしは、多くのことに干渉出来ない身ですが、近くまでなら運ぶことは可能です。先程、あなた達をここまで【招いた】ように、道を繋げられます」

不思議な力で、ということだろうか。

リズは握り締めた手を胸元に引き寄せて、女王様を見上げる。

「あの子達の近くまで、行けるんですか? すぐに?」

「はい。恐らくまた狩りをしているのか、ちょうど今、幼獣達の移動も一時的に止まっています。けれど彼らがそこから少しでも移動して、山を超えたら私の力は届きません」

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