平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
女王様の、しっとりと濡れたような美しい紫色(バイオレット)の目がリズを見る。どうする? と、まるで判断を問い掛けているみたいだった。

一旦戻って獣騎士達に場所を教えたとしても、その間に場所を移動されない可能性はない。

女王様は、今、移動は止まっていると言っていた。

先程カルロは、密猟団は『ずる賢く』『卑怯』と毛嫌う言い方をした。もし彼らが足を止めているのが、別の狩りをしている真っ最中なのだとしたら……?

意識のない幼獣達は、どこかに置かれている状態かもしれない。

「私、行きます」

リズは、強く見つめ返してそう答えた。

「良いのですか? わたくしの手助けは、届けることのみ」

「構いません」

もし山を超えられたら、女王様の手助けであの子達に会う方法はなくなる。躊躇っている時間などない。

それで構わないかと、リズは遅れてカルロへ確認する目を向けた。

目が合ったカルロが、またしても懐かない偉そうな顔をして「ふんっ」と鼻を鳴らした。今度は小馬鹿にしているわけではなく、了承なのだとリズは分かった。

今のこのタイミングが、きっとチャンスだ。

この手に取り返せる機会を逃がしてはならない。

「だから女王様、お願いです。どうか私達を近くまで運んでください」

リズは、カルロと共に女王様へと目を戻して、そう伝えた。
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